G・M・マリエット『コージー作家の秘密の原稿』

G・M・マリエット『コージー作家の秘密の原稿』 タイトルにコージーという言葉が含まれてるけど コージー小説というより英国が舞台の本格ミステリ。 と言い切りたいけど、本格と銘打つほど 伏線しっかりしてたかなぁ? というのが正直な感想。 あまりに唐…

A・クリスティ『死人の鏡』

A・クリスティ『死人の鏡』 「厩舎街の殺人」 「謎の盗難事件」 「死人の鏡」 「砂にかかれた三角形」 の4篇からなるちょっと長めの短篇集。 すべてポアロ物。軽く楽しむのにはちょうどいい長さと質でした。 自殺か他殺か? 最初の「厩舎街の殺人」ではク…

P・コーンウェル『スカーペッタ 核心』上・下

P・コーンウェル『スカーペッタ 核心』上・下 検屍官シリーズ第17弾。 『業火』の真相が明かされます。少々驚き。今さらだわ。 この作品を初めて手に取る人は何のことやらさっぱりでしょうね。 元々このシリーズは、初読みの読者に冷たい印象を受けてたけ…

ケイト・モートン『忘れられた花園』

ケイト・モートン『忘れられた花園』上・下巻 幼い頃、船で秘密のかくれんぼをしているつもりだった 一人の少女。同行者は出航時刻が過ぎても姿を現さなかった。 一人でオーストラリアに渡ってきた少女は口も利かず 自分が何者なのかもわからない。 引き取ら…

恩田陸『夢違』

恩田陸『夢違』 恩田ワールド全開の作品。 もうこの雰囲気に浸れるだけで満足です、私。 まず引き出しの多い恩田さんならではの意外な設定。 人の夢が可視化され、それを分析する職業がある。 悪夢に怯える小学生が全国で発生する一方で 一クラスまるごと消…

小野不由美『ゴーストハント3 乙女ノ祈リ』

小野不由美『ゴーストハント3 乙女ノ祈リ』 舞台が学校になると怖さが増しますね。 昔から伝わる七不思議や現実に起こった事故や事件。 色んな事柄が起こす現象を系統だって分類してる点が このシリーズの好きなところ。 知らない単語も目白押しで、怖さ半…

R・D・ウィングフィールド『夜明けのフロスト』

R・D・ウィングフィールド『夜明けのフロスト』 『ジャーロ』に掲載されたアンソロジー。 表題作以外は エドワード・D・ホック「クリスマスツリー殺人事件」 ナンシー・ピカード「Dr.カウチ 大統領を救う」 ダグ・アリン「あの子は誰なの?」 レジナルド…

R.D.ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』

R.D.ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』 フロスト警部シリーズ第1弾。 再読。懐かしい〜、本当に面白い作品だわ。 季節はクリスマス前の寒い時期。 寒い寒い1日がとにかく長いのよ、この作品。 読んでも読んでも同じ日の出来事。 よくこれだけ事…

デイヴィッド・ゴードン『二流小説家』

ディビッド・ゴードン『二流小説家』 主人公ハリーは複数のペンネームを持つ作家。 フィクションでは思い通りの作品を描けるが いかんせん、現実の事件に対しては 犯人に振り回されてヘロヘロ。 これでハリーが名探偵よろしく事件を解決したら しらけた作品…

スティーヴン・キング『アンダー・ザ・ドーム』上下巻

スティーヴン・キング『アンダー・ザ・ドーム』上下巻 突然、1つの街がすっぽりと見えないドームに覆われてしまう。 微量な空気を通すのみのドームの出現は 確かにこういう事故や混乱は起こるよね〜という 描写のオンパレード。それが何とまぁ容赦のないこ…

京極夏彦『豆腐小僧双六道中おやすみ』

京極夏彦『豆腐小僧双六道中おやすみ』 前作『豆腐小僧双六道中ふりだし』の続編。 前作に関連した人物・事件も登場するので 刊行順に読むのがベストって思います。 今回も悩みます〜豆腐小僧は。 しかも偉そうにしている達磨先生も悩む点があって それが一…

東野圭吾『マスカレード・ホテル』

東野圭吾『マスカレード・ホテル』 新シリーズなのかな? 主人公新田が連続殺人事件の捜査のために、 ホテルマンに扮して潜入捜査する・・・という設定で 新田自身もホテルマンとしての役割をこなさないといけないハメになる。 そこが、なかなか面白かった!…

A・クリスティ『鳩のなかの猫』

A・クリスティ『鳩のなかの猫』 ポアロもの。ポアロものなんですが、知らなかったらノンシリーズ かと思ってしまいそう。ポアロの印象薄いです。 中東での革命勃発からダイヤの紛失 そしてイギリスの女学校で起こった教師の謎の連続死。 これらがサスペンス…

綾辻行人『奇面館の殺人』

綾辻行人『奇面館の殺人』 館シリーズ第9弾。 吹雪で孤立した中村青司設計の館に集まった人々の 何とも奇妙な設定!もうたまらなく面白いです。 事件の一つ一つな奇妙な点の見事な終着点に 相変わらずの鮮やかさを感じて、 心地よい読了となりました。 鹿谷…

ミネット・ウォルターズ『破壊者』

ミネット・ウォルターズ『破壊者』 ウォルターズ作品は、読了後に嫌な気持ちになる気がして いつも身構えて読み始めるのですが、 昨年読んだ『鉄の枷』同様、今回も引き込まれてしまいました。 今回は特に警察小説としても楽しめて、 丹念にアリバイや証拠固…

A・クリスティ『葬儀を終えて』

A・クリスティ『葬儀を終えて』 これは見事にクリスティにしてやられた作品。 最初の導入部から計算し尽されたミステリで 私の中ではかなりのお気に入りにランクイン。 「だって、リチャードは殺されたんでしょ?」 というセリフによって登場人物だけでなく…

コリン・デクスター『死はわが隣人』

コリン・デクスター『死はわが隣人』 モース警部シリーズ第13弾。 いよいよラスト直前の1冊。 この本を読み終えた時 シリーズ最初から読み続けたファンなら ある種の感動が味わえます。 胸にじーんと拡がった余韻で 最初から読み返したくなりました。 読…

高田郁『心星ひとつ』みをつくし料理帖

高田郁『心星ひとつ』みをつくし料理帖 [rakuten:neowing-r:10537496:image] 「みをつくし料理帖」シリーズ第6弾。 今回は驚きの展開となります。 「シリーズ史上もっとも大きな転機となる」という 宣伝文句に偽りなし。 驚いた。驚いたけど、辛いなぁ。 皆…

高田 郁『小夜しぐれ』 みをつくし料理帖

高田 郁『小夜しぐれ』 みをつくし料理帖 「みをつくし料理帖」シリーズ第5弾。 美緒に縁談の相手が! 思いもよらない展開に、驚いてます。 最初はどうも好きになれなかった美緒だけに どうも複雑な気持ち。 と言っても、美緒より澪のことが第一なんですが…

エラリー・クイーン『Xの悲劇』

エラリー・クイーン『Xの悲劇』 ドルリー・レーンシリーズ第1弾。 再読です。 学生時代に読んだ作品ですが 犯人だけはきっちりと覚えてます。 これ衝撃受けた作品ですもん。 本格ミステリという言葉も知らず 友人に勧められたのがきっかけですが 今ではそ…

高田 郁『今朝の春』 みをつくし料理帖

高田 郁『今朝の春』 みをつくし料理帖 「みをつくし料理帖」シリーズ第4弾。 今回も盛り沢山。飽きさせない工夫が利いてます。 するする読んでしまうのが惜しい作品なのに するする読んじゃう。同じ思いの方は多いと思いますヨ。 「つる家」と「登龍楼」の…

高田 郁『想い雲』 みをつくし料理帖

高田 郁『想い雲』 みをつくし料理帖 「みをつくし料理帖」シリーズ第3弾。 ユニークな新キャラ登場! 場面を和やかにする板村堂の加入で、 ますます料理が美味しく感じられるようになりました。 登場人物が料理の美味しさに悶絶する表現が 読み手にはなか…

P・G・ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』

P・G・ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』 ジーヴスシリーズ第6弾。長編。 毎度ながらの展開に大笑い。 今回はジーヴスがバーティーの執事を辞職するところから始まる! その理由がまた笑えるんですよね。 短編でも大概酷い目に遭うバーティーだけど …

A・クリスティ『バグダッドの秘密』

A・クリスティ『バグダッドの秘密』 ノンシリーズ。スパイ物。 誰が味方か誰が敵か? ハラハラするストーリー展開は面白い。 クリスティのスパイ物の面白さは トミー&タペンス物で折り紙つきなので 今回も安心して読めます。 ただし主人公のヴィクトリアに…

高田 郁『花散らしの雨』みをつくし料理帖

高田 郁『花散らしの雨』みをつくし料理帖「みをつくし料理帖」シリーズ第二弾。新しく下足番にやとったふきという少女。 その境遇から、自分と重ね合わせる澪だったが・・・。 一人メンバーが増えるごとに 作品に広がりができドラマが増え 様々な情景に心揺…

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』 これは伊坂さんらしい作品。 私が伊坂作品を買い続けてるのは こんな作品を楽しみたいためなんですよね。 そういう意味では、何度読み返しても くくく・・・と笑えるのはお得感満載かも。 設定がそもそも予想の範疇…

A・クリスティ『鏡は横にひび割れて』

A・クリスティ『鏡は横にひび割れて』 マープル物。長編。 これは以前映画を見て、犯人も被害者もハッキリ覚えている作品。 タイトル名が全然違ってたけど読み始めてすぐにわかりました。 それくらいに印象深い作品。 主人公を演じてた女優があまりに有名だ…

コリン・デクスター『カインの娘たち』

コリン・デクスター『カインの娘たち』 モース警部シリーズ第12弾。長編。 今回はアリバイ崩しがメイン。 犯人と思われる3人の女性に翻弄されるモース。 淡々と進む内容に、思いがけず夢中になってしまいました。 これ、面白いですよ。特にアリバイトリッ…

A・クリスティ『死者のあやまち』

A・クリスティ『死者のあやまち』 ポアロ物。長編。 たまに登場する推理小説家のオリヴァ夫人。 彼女が登場している作品を読むのは これで3回目なんですが、何と最初読んだ作品では 限りなく怪しいと思ってましたヨ(笑) 高慢なポアロが振り回される様子…

高田 郁『八朔の雪』みをつくし料理帖

知り合いに勧められて読みましたが 読み出してすぐに勧められたことに感謝。 確かに、これは人に勧めたくなるわ。 水害で両親を失った主人公・澪の成長物語。 彼女の直向さが読み手に勇気・元気を与えてくれるので どんな精神状態の時でもぐいぐい読めそうな…