2011-01-01から1年間の記事一覧

A・クリスティ『葬儀を終えて』

A・クリスティ『葬儀を終えて』 これは見事にクリスティにしてやられた作品。 最初の導入部から計算し尽されたミステリで 私の中ではかなりのお気に入りにランクイン。 「だって、リチャードは殺されたんでしょ?」 というセリフによって登場人物だけでなく…

コリン・デクスター『死はわが隣人』

コリン・デクスター『死はわが隣人』 モース警部シリーズ第13弾。 いよいよラスト直前の1冊。 この本を読み終えた時 シリーズ最初から読み続けたファンなら ある種の感動が味わえます。 胸にじーんと拡がった余韻で 最初から読み返したくなりました。 読…

高田郁『心星ひとつ』みをつくし料理帖

高田郁『心星ひとつ』みをつくし料理帖 [rakuten:neowing-r:10537496:image] 「みをつくし料理帖」シリーズ第6弾。 今回は驚きの展開となります。 「シリーズ史上もっとも大きな転機となる」という 宣伝文句に偽りなし。 驚いた。驚いたけど、辛いなぁ。 皆…

高田 郁『小夜しぐれ』 みをつくし料理帖

高田 郁『小夜しぐれ』 みをつくし料理帖 「みをつくし料理帖」シリーズ第5弾。 美緒に縁談の相手が! 思いもよらない展開に、驚いてます。 最初はどうも好きになれなかった美緒だけに どうも複雑な気持ち。 と言っても、美緒より澪のことが第一なんですが…

エラリー・クイーン『Xの悲劇』

エラリー・クイーン『Xの悲劇』 ドルリー・レーンシリーズ第1弾。 再読です。 学生時代に読んだ作品ですが 犯人だけはきっちりと覚えてます。 これ衝撃受けた作品ですもん。 本格ミステリという言葉も知らず 友人に勧められたのがきっかけですが 今ではそ…

高田 郁『今朝の春』 みをつくし料理帖

高田 郁『今朝の春』 みをつくし料理帖 「みをつくし料理帖」シリーズ第4弾。 今回も盛り沢山。飽きさせない工夫が利いてます。 するする読んでしまうのが惜しい作品なのに するする読んじゃう。同じ思いの方は多いと思いますヨ。 「つる家」と「登龍楼」の…

高田 郁『想い雲』 みをつくし料理帖

高田 郁『想い雲』 みをつくし料理帖 「みをつくし料理帖」シリーズ第3弾。 ユニークな新キャラ登場! 場面を和やかにする板村堂の加入で、 ますます料理が美味しく感じられるようになりました。 登場人物が料理の美味しさに悶絶する表現が 読み手にはなか…

P・G・ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』

P・G・ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』 ジーヴスシリーズ第6弾。長編。 毎度ながらの展開に大笑い。 今回はジーヴスがバーティーの執事を辞職するところから始まる! その理由がまた笑えるんですよね。 短編でも大概酷い目に遭うバーティーだけど …

A・クリスティ『バグダッドの秘密』

A・クリスティ『バグダッドの秘密』 ノンシリーズ。スパイ物。 誰が味方か誰が敵か? ハラハラするストーリー展開は面白い。 クリスティのスパイ物の面白さは トミー&タペンス物で折り紙つきなので 今回も安心して読めます。 ただし主人公のヴィクトリアに…

高田 郁『花散らしの雨』みをつくし料理帖

高田 郁『花散らしの雨』みをつくし料理帖「みをつくし料理帖」シリーズ第二弾。新しく下足番にやとったふきという少女。 その境遇から、自分と重ね合わせる澪だったが・・・。 一人メンバーが増えるごとに 作品に広がりができドラマが増え 様々な情景に心揺…

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』 これは伊坂さんらしい作品。 私が伊坂作品を買い続けてるのは こんな作品を楽しみたいためなんですよね。 そういう意味では、何度読み返しても くくく・・・と笑えるのはお得感満載かも。 設定がそもそも予想の範疇…

A・クリスティ『鏡は横にひび割れて』

A・クリスティ『鏡は横にひび割れて』 マープル物。長編。 これは以前映画を見て、犯人も被害者もハッキリ覚えている作品。 タイトル名が全然違ってたけど読み始めてすぐにわかりました。 それくらいに印象深い作品。 主人公を演じてた女優があまりに有名だ…

コリン・デクスター『カインの娘たち』

コリン・デクスター『カインの娘たち』 モース警部シリーズ第12弾。長編。 今回はアリバイ崩しがメイン。 犯人と思われる3人の女性に翻弄されるモース。 淡々と進む内容に、思いがけず夢中になってしまいました。 これ、面白いですよ。特にアリバイトリッ…

A・クリスティ『死者のあやまち』

A・クリスティ『死者のあやまち』 ポアロ物。長編。 たまに登場する推理小説家のオリヴァ夫人。 彼女が登場している作品を読むのは これで3回目なんですが、何と最初読んだ作品では 限りなく怪しいと思ってましたヨ(笑) 高慢なポアロが振り回される様子…

高田 郁『八朔の雪』みをつくし料理帖

知り合いに勧められて読みましたが 読み出してすぐに勧められたことに感謝。 確かに、これは人に勧めたくなるわ。 水害で両親を失った主人公・澪の成長物語。 彼女の直向さが読み手に勇気・元気を与えてくれるので どんな精神状態の時でもぐいぐい読めそうな…

海堂尊『ナニワ・モンスター』

海堂尊『ナニワ・モンスター』 日本中が新型インフルエンザ騒動に巻き込まれた 記憶がまだ残っているだけに、本書の掴みに キャメル・パニックを持ってきたのは巧いなぁ。 これはのっけから期待大となりました。 だけどいつの間にか内容は違った方向へ。 あ…

小路幸也『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ』

小路幸也『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ』 東京バンドワゴンシリーズ第6弾。毎度ながらに大家族の食事風景はホームドラマを見ている様。 誰が誰に向かって言ってるのか見当つけながら 朝から美味しそうな食事と家族の仲良さに羨ましく読んでます。 映像化し…

高野和明『ジェノサイド』

高野和明『ジェノサイド』 スケールの大きさといい、クォリティーの高さといい、 これは凄い作品。もう夢中で読み終えました。日本映画でなくハリウッド映画を見ているかの ごとくスリリングで迫力ある内容。 独創的な着眼に驚いてます。でもありえるかも知…

池井戸潤『下町ロケット』

直木賞受賞作品。 世界に誇れる日本の町工場の技術。 資金繰りも苦しい中、世界を相手に出来る 技術があるって素晴らしい。 勇気も元気も希望ももらえる作品でした。 世界に誇れる特許技術があるからって トントン拍子にいくほど世の中甘くないんですよね。 …

近藤史恵『サヴァイヴ』

近藤史恵『サヴァイヴ』サクリファイスシリーズ第3弾。短編集。 過去2作品が長編で素晴らしかったので これもかなりの期待で読み進めました。 長編と違って息の詰まる展開が続く・・という訳にはいきませんが サイドストーリー的な内容は抜群に面白く 読了…

東野圭吾『プラチナデータ』

東野圭吾『プラチナデータ』 ノンシリーズ。長編。 個人のDNAデータを国が管理する というシステムは、今後実際に起こりそうで、 それ故にプラチナデータの存在が明らかになる過程は 空恐ろしいものがありました。 何も知らずに管理されてる側である私達…

辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』

辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』 小林アンとクラスの女子生徒との関わりが あまりにリアルすぎて怖かった。 辻村さんは思春期のドロドロした人間関係描くの 本当に巧いですね。 中学校という狭い世界の今の自分から逃げ出すために 自分が死んだ後の周…

東野圭吾『真夏の方程式』

東野圭吾『真夏の方程式』 [rakuten:onomichi-keibunsha:10004408:image]ガリレオシリーズ第6弾。長編。 湯川先生と小学生がどっぷり絡んだ内容は 過去シリーズではなかった組み合わせだけに、 ちょっとした場面が微笑ましい。 へー、やるじゃん。湯川先生…

P・コーンウェル『スカーペッタ』上・下

P・コーンウェル『スカーペッタ』上・下 検屍官シリーズ第16弾。 この作品から、訳者が相原真理子さんから 池田真紀子さんに変更になりました。 ケイ&コーンウェル&相原さんというように この3人をトライアングルで捉えていたので、 どういう訳で・・と戸惑…

島田荘司『写楽 閉じた国の幻』

東洲斎 写楽については、大した知識もなかった私は その正体が200年もの長きに渡って未だに謎だ、 ということも知りませんでした。 だから本作品が面白いの何のって! 乾いたスポンジが水を吸収するように ぐいぐい読みました。これ、本当に面白かった! …

若竹七海『ポリス猫DCの事件簿』

若竹七海『ポリス猫DCの事件簿』 葉崎シリーズ第7弾。連作短編集。猫島に温泉が出て、いつの間にかこの島が葉崎市の 人気スポットになってますヨ。 そして島内で起こる様々な問題に対処しているのが、 島唯一の派出所に通いで勤務している七瀬巡査と 住み…

A・クリスティ『さあ、あなたの暮らしぶりを話して 』

A・クリスティ『さあ、あなたの暮らしぶりを話して 』 クリスティの2番目の夫である、考古学者マックスとの旅行記。 シリアでの発掘旅行の顛末を、世界的なミステリ作家というより 考古学者の妻として、愛すべき夫の仕事に同行している様子が ユーモアを交…

加賀美雅之『縛り首の塔の館』

加賀美雅之『縛り首の塔の館』 ベルトランシリーズ。短編集。 不可能犯罪を演出した加賀美さんらしい短編集。 サービス精神旺盛な加賀美さんは、 長編では謎がみっしり詰まり過ぎて いくら本格古典推理好きな私でも、 少々食傷気味だったので、 今回の短編集…

小野不由美『ゴーストハント1 旧校舎怪談』

小野不由美『ゴーストハント1 旧校舎怪談』 怖がりの私はどうもホラー小説が苦手。 今までなるべく避けて通ってきたのですが 今回は大好きな小野さんの作品ということで かなり期待感持って読みました。 冒頭からの雰囲気作りはバッチリ! このまま旧校舎に…

P・G・ウッドハウス『でかした、ジーヴス!』

P・G・ウッドハウス『でかした、ジーヴス!』 ジーヴスシリーズ第5弾。短編集。今までで最高の面白さ!これオススメです! 執事であるジーヴスの腹黒さは過去4作品で十分に知り尽くしていて、 バーティーとのやりとりにそろそろ食傷気味かも・・ なんて…