2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

三浦しをん『まほろ駅前番外地』

三浦しをん『まほろ駅前番外地』 『まほろ駅前多田便利軒』のサイドストーリー。 前作の登場人物がそっくりそのまま再登場って感じなので 前作を再読してから本書を読めばよかったかも知れません。 今回はその再登場した脇役が主役になり、彼等の視点で 楽し…

近藤史恵『ガーデン』

近藤史恵『ガーデン』 今泉文吾シリーズ。 ただし、今回は歌舞伎には全然関係なく、今泉が探偵になるきっかけが わかる内容となってます。今泉のイメージが全然違った印象受けるのは 『ねむりねずみ』とは全く違った設定だからでしょうか。主人公火夜に共感…

A・クリスティ『もの言えぬ証人

A・クリスティ『もの言えぬ証人』 ポアロもの。 ある婦人から届いた1通の手紙。 例によってヘイスティングは取るに足りない1通と感じますが ポアロの灰色の脳細胞はその手紙に不信を抱き、 その手紙の主を訪ねます。するとその女性はすでに病死してました…

恩田陸『メガロマニア』

飛行機恐怖症の恩田さんが、11回も飛行機の乗り換えを経験した インカ・マヤ文明への旅。すごく楽しめました。 最後の地図を何度も確認しながら恩田さんの紀行文を味わいましたが 両文明に全く無知な私に、いつか行ってみたいと思わせる力がありました。 …

ジェフリー・ディーヴァー『ソウル・コレクター』

今回の犯人はコンピュータを自在に操る「すべてを知る男」。 科学捜査では向かうところ敵なし状態のリンカーンが ITはどうも得意でない分野みたいです。 さすがのリンカーンにも苦手分野があってちょっと嬉しかったりして(笑) ページが進むにつれて、ど…

東川篤哉『「殺意は必ず三度ある』

鯉ヶ窪学園シリーズ第二弾。 相変わらずの面々が楽しいトークを繰り広げながらの本格作品。 いつもながらのトリックは見事だし、ゆるい笑いもツボです。 野球場の見取り図がなかったら絶対に理解できないトリック! うまいこと考えますね。この作品読むまで…

近藤史恵『演じられた白い夜』

吹雪の山荘での殺人事件という大好きな設定の上 劇中劇がまた緊張感漂う内容で、大変楽しめる作品でした。 劇中劇と現実を交互に読んでいくのですが、両方の犯人を 見つける楽しみがあってお得な1冊かも知れません。 途中、ある作家さんの作品と同じトリッ…

A・クリスティ『ひらいたトランプ』

ポアロ物。容疑者は4人、そして探偵役も4人です。 何一つ証拠のない状況で、探偵役4人の全く違った 捜査方法が個性が出てて面白かったです。 一番収穫のなさそうなポアロは何とブリッジという トランプの得点表や簡単な質問からの心理状態から推測 という…

柳広司『虎と月』

ミステリーYA!シリーズですがジュブナイルと侮るなかれ! 何と漢詩が出てくるじゃないですか。しかもかなり重要な要素として。 中島敦さんの『山月記』を未読なのがつくづく惜しいと思いました。 柳さんが暗記するまで読んだ「山月記」、 そこから生まれ…