A・クリスティ『葬儀を終えて』

A・クリスティ『葬儀を終えて』


葬儀を終えて (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


これは見事にクリスティにしてやられた作品。
最初の導入部から計算し尽されたミステリで
私の中ではかなりのお気に入りにランクイン。
「だって、リチャードは殺されたんでしょ?」
というセリフによって登場人物だけでなく
私まで幻惑されちゃいました。
これで作品の緊張感がラストまで続くんだから
クリスティってつくづく巧い作家ですね。


しかもクリスティの描く遺産の絡んだ作品って
本当に犯人当てが難しい。
今回もそうだけど、登場人物すべてが犯人に思えちゃって!
見事にクリスティのミスリードにひっかかりました。
これ、論理的に真相を看破できる人なんているんだろうか?
ポアロの説明に納得です。
これはお勧めだな〜。