2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

米澤穂信『儚い羊たちの晩餐』

米澤穂信『儚い羊たちの晩餐』 「身内に不幸がありまして」「北の館の罪人」「山荘秘話」 「玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」の5編から成り ラスト1行での衝撃に徹底的にこだわった連作短編集です。 すべてに「バベルの会」という読書の会が登場し…

島田荘司『最後の一球』

島田荘司『最後の一球』 御手洗潔も関内の馬車道にいる頃の話。 この時期の御手洗が大好きなので、もう夢中で読んじゃいました。 途中から私の思惑とはどんどんずれていきますが 着地点がわかってるので、あとはその軌跡を楽しんでる感じ。 さすがに読ませる…

篠田真由美『玄い女神』

篠田真由美『玄い女神』 建築探偵シリーズ第2弾。10年前にインドで起こった殺人事件の真相を 桜井京介に託す狩野都。カリ(狩野都)の存在が あまりに大きくて、京介も蒼も印象薄いです。 カリで始まり、カリで終わる。 まだシリーズ2冊目なのに、篠田さ…

A・クリスティ『殺人は容易だ』

A・クリスティ『殺人は容易だ』 ノンシリーズ。 小さな村で起こっている連続殺人に、唯一気付いたピンカートン。 これをロンドン警察に通報する直前にひき逃げで殺害される。 しかしこれも事故と処理され・・・。 主人公は元植民地警察官ルークという、何気…

A・クリスティ『杉の柩』

A・クリスティ『杉の柩』 ポアロ物。大好きなポアロ物の中でも私のベスト3に入るくらいに面白かったです! タイトルは地味なのに、小説がドラマチックでお薦めです。 作品は、主人公エリノアが殺人容疑で起訴された法廷シーンから始まり、 過去を回想する…

東川篤哉『もう誘拐なんてしない』

東川篤哉『もう誘拐なんてしない』 ノンシリーズ。 ひょんなことからヤクザの組長の娘・絵里香にに協力して 狂言誘拐をすることになった翔太郎。彼視点と絵里香の姉皐月視点で 語られていく。誘拐事件、偽札事件、殺人事件と色んな事件が絡みあって・・・。 …

A・クリスティ『死との約束』

A・クリスティ『死との約束』 ポアロ物。長編。中近東シリーズ。 「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」 という冒頭の一文が印象的。これでグイっと作品に引き込まれました。 後にこの発言をした人物がボイントン家の次男レインモンドと判…

ジェフリー・ディーヴァー『スリーピング・ドール』

ジェフリー・ディーヴァー『スリーピング・ドール』 ライムシリーズ『ウォッチメイカー』に登場した キャサリン・ダンスが主人公となるシリーズの第1弾。 今回はお義理程度にライムとアメリア登場。 もっと絡み多いと嬉しいな、と思いました。 というか彼ら…

伊坂幸太郎『あるキング』

伊坂幸太郎『あるキング』 今までの伊坂作品とはちょっと空気の違う作品。 でもやっぱり伊坂ワールドが随所に感じられました。 どんどん映画化されて、会話も軽妙で映像向きだった 他作品と比べて、シェイクスピアの『マクベス』を意識した 本作品。登場する…

パットマガー『被害者を捜せ!』

犯人がわかっていて、その被害者を考えていくという逆バージョンの 本格ミステリ。パット・マガーのデビュー作品です。犯人のステットスンを巡る人間関係が中心に語られるのですが 読めば読むほど、ステットスンと周りの人間との軋轢が感じられる内容で いつ…