コリン・デクスター『カインの娘たち』

コリン・デクスター『カインの娘たち』


カインの娘たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)


モース警部シリーズ第12弾。長編。
今回はアリバイ崩しがメイン。
犯人と思われる3人の女性に翻弄されるモース。
淡々と進む内容に、思いがけず夢中になってしまいました。
これ、面白いですよ。

特にアリバイトリックがお見事。
本格ミステリファンで洞察力のある方なら見破るかも知れないけど
単に好きなだけの私はただ感心することしきり。
静かな余韻ある終わり方もいいな。
まさかシリーズ終盤でこんなに気に入る作品に
出会えるとは思ってもみなかった!
これはオススメです。


お酒を飲みながら直観力を働かせるモースと
モースの直観力に巻き込まれて、
面倒な仕事を一手に引き受けるルース。
今回はルースが随分と物分りがよくなった気がしました。
それはルースが独り立ちできることを暗示しているせい?
モースの体調に不安要素が増してきていることが気掛かりで
色んなことが1つの結末を暗示しているように感じちゃいました。
煙草とアルコールを節制して、モースに長生きしてもらいたい。
でもお酒やめちゃうとモースじゃなくなりますよね。
シリーズ終了まで、残り2冊です。