BOOK

ジャネット・イヴァノヴィッチ『私が愛したリボルバー』

ジャネット・イヴァノヴィッチ『私が愛したリボルバー』 ステファニー・プラムシリーズ第1弾。 日本には馴染みのないバウンティ・ハンターという職業を やらざるを得なくなるステファニー。 綺麗に言えば彼女の成長物語なんだろうけど そのドタバタぶりが面…

P・G・ウッドハウス『ジーヴスと恋の季節』

P・G・ウッドハウス『ジーヴスと恋の季節』 ジーヴスシリーズ第8弾。 いや〜安心して読めるジーヴスシリーズは 定期的に読みたくなる作品ばかり。 ここんとこ長編ばかりなんで トラブル具合も絡まった糸のややこしいこと! その内容は、やはり今回も友人…

島田荘司『アルカトラズ幻想』

島田荘司『アルカトラズ幻想』 島田さんが書きたい本当のテーマみたいなのがあって ミステリは単なる導入部、というタイプの作品が続いてます。 今回の導入部の猟奇殺人は惹きつけられる。 どんな意図があってこういう事件が起きるのか? ワクワクしながら読…

アーロン・エルキンズ『古い骨』

アーロン・エルキンズ『古い骨』 スケルトン探偵シリーズ第4弾。 モンサンミッシェルが舞台、ということで 読むのを凄く楽しみにしてました。 いつかは行ってみたかったので。 しかし美しい場所なのにあんな危険性も隣合わせてたとは! 行けるかどうかわか…

アーロン・エルキンズ『暗い森』

アーロン・エルキンズ『暗い森』 スケルトン探偵シリーズ第2弾。 凄く地味な印象を受ける作品で 読後感も驚きもさほどなく、淡々と終わってしまった感じ。 ギデオンとジュリーの馴れ初めはよくわかるので まずこれから読むといいかも。 ただし私はこの描写…

ドロシー・L・セイヤーズ『学寮祭の夜』

ドロシー・L・セイヤーズ『学寮祭の夜』 ピーター卿シリーズ。長編。 700ページを超える長さに躊躇しちゃうけど 読了後はその長さも納得できる内容。 それほどハリエットとピーター卿の関係は複雑なのです。 そしてハリエット視点の内容は、揺れ動く彼女…

スコット・トゥロー 『推定無罪』上・下巻

スコット・トゥロー 『推定無罪』上・下巻 主人公サビッチ主席検事補のかつての愛人である 美人検事補が自宅で殺害され、その容疑が次第に サビッチに向けられていく。 サビッチ視点での内容も、すべてを読者に明かしてる とは言えない箇所が気になり、フー…

ドロシー・L・セイヤーズ『ナイン・テイラーズ』

ドロシー・L・セイヤーズ『ナイン・テイラーズ』 ピーター卿シリーズ第9弾。長編。 鐘がこの作品の核なのに、鳴鐘術がよくわからない。 薀蓄が次々と続き、頭が混乱するんだけど よくわからないなりに楽しめてしまう本作品。 個々の鐘に名前をつけ鐘の代名…

ヘニング・マンケル『白い雌ライオン』

ヘニング・マンケル『白い雌ライオン』 ヴァランダー警部シリーズ第3弾。 毎回メインとなってるテーマが重く 今回は南アフリカのアパルトヘイト政策を扱ってます。 作者が本当に読ませたいのは、このテーマの方なんじゃない? これは警察小説の殻を被った、…

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』1・2・3巻 舞台は北鎌倉にある古書店。 日常の謎を扱った連作短編集。 非常に読みやすくてさくさく読めちゃいます。 読んでてぐっと深入りしてしまったのが 各短編に登場する古書の内容。 栞子が大輔に本の触りを説明…

S・J・ローザン『どこよりも冷たいところ』

S・J・ローザン『どこよりも冷たいところ』 リディア・チン&ビル・スミスシリーズ第4弾。 語り手がリディアとビルで交互に変わっていくシリーズ。 今回はビル視点。 今回の舞台は高層ビルの建築現場。 きな臭い不正を調査するために 知り合いの探偵会社…

宮部みゆき『ソロモンの偽証』

宮部みゆき『ソロモンの偽証』 第1部「事件」 第2部「決意」 第3部「法廷」全3巻、2000ページを超える大作は 人物描写を丁寧に書き込んだ宮部作品だからこその量。 もっと読みたい人物や背景が次から次へと浮かんでくる。 ここが宮部さんの巧いとこ…

小野不由美『ゴーストハント7 扉を開けて』

小野不由美『ゴーストハント7 扉を開けて』 おお〜そうだったのかっ!すべてが氷解する最終巻。 頷きながら納得して夢中で読んじゃいました。 1巻からの細かい伏線も丁寧に回収されて ただただ面白かったの一言。 最終巻に向けての人間関係もいい感じだし …

ドロシー・L・セイヤーズ『殺人は広告する』

ドロシー・L・セイヤーズ『殺人は広告する』 いやいや、これはなかなかに面白いっ! 冒頭からいつもと違う演出。 雑然とした広告会社内部が活き活きと描かれていて、 当時の広告業界の内幕をのぞけるなんて嬉しい限り。 しかもここで登場するコピーの巧いこ…

モーリス・ルブラン『ルパン、最後の恋』

モーリス・ルブラン『ルパン、最後の恋』 70年ぶりに発見された未出版の原稿。 ようやく世に出て、またルパンに会える〜と ワクワクしながら読みましたが・・・。 再びルパンに会えて嬉しい半面 ちょっと推敲不足かな、と内容に不満も残ったり。 そこら辺…

ヘニング・マンケル『殺人者の顔』

ヘニング・マンケル『殺人者の顔』 クルト・ヴァランダーシリーズ第一弾。 まさに北欧ミステリ! 天候も悪いし、寒々とした重苦しい雰囲気が 何ともいえない気持ちにさせられます。 ただ主人公ヴァランダー刑事の人間味ありすぎる 駄目行動っぷりには、憐れ…

S・J・ローザン『新生の街』

S・J・ローザン『新生の街』 リディア・チン&ビル・スミスシリーズ第3弾。 語り手がリディアとビルで交互に変わっていくシリーズ。 今回はリディア視点。 今回も無茶をするリディアとそれを心配する家族の気持ち そして相棒のビルがリディアをフォローす…

ジル・チャーチル『毛糸よさらば』

ジル・チャーチル『毛糸よさらば』 ジェーンシリーズ第2弾。長編。 前作に引き続き、とても読みやすい作品。 事件が発生して真相が気になりながらも 日常をこなすジェーンの様子に共感することしきりで さくさくと読めちゃうシリーズです。 特にクリステマ…

ジル・チャーチル『ゴミと罰』

ジル・チャーチル『ゴミと罰』 ジェーンシリーズ第1作。長編。 タイトルからして面白そうな予感。 そしてタイトルだけでなく、中身がまた面白い! 3人の子供がいる主婦が殺人事件に巻き込まれた。 主人公ジェーンは止むを得ず事件の解決に乗り出そうとする…

モーリス・ルブラン『強盗紳士ルパン』

モーリス・ルブラン『強盗紳士ルパン』 怪盗紳士でなく強盗紳士というタイトル名に時代を感じさせられます。 『ルパン、最後の恋』を読む前に、 積読中の本書を慌てて読んでみたのですが 大人になってから読むルパンもなかなか良いですね! 子供の頃読んだポ…

S・J・ローザン『ピアノ・ソナタ』

S・J・ローザン『ピアノ・ソナタ』 シリーズ第2弾。今回はビルの一人称語り。 ビルに対する印象がリディア視点より断然良いっ! こんなにナイーヴで細やかな心配りのできるビルが 非常に危険な仕事をしてるという対比が面白い。 犯人は予想外の人物で、ま…

ドロシー・L・セイヤーズ『五匹の赤い鰊』

ドロシー・L・セイヤーズ『五匹の赤い鰊』 ピーター卿シリーズ第6弾。 赤い鰊が偽の手掛かりというのはミステリ用語なんですが それを知らなかった私はまだまだミステリ初心者。 いい勉強になりました。 内容はまさにタイトル通り! 5匹の赤い鰊(偽の手…

カーター・ディクスン『黒死荘の殺人』

カーター・ディクスン『黒死荘の殺人』 H.M卿初登場作品。 前半の怪奇的な雰囲気が密室事件の陰惨な現場 を盛り上げており、ゾクゾクしながら楽しめます。 一転、、H.M卿登場以後は、彼の軽口っぷりと 熊のような所作が妙に可笑しくて 一気に印象が明るくな…

P・G・ウッドハウス『ジーヴスと朝のよろこび 』

P・G・ウッドハウス『ジーヴスと朝のよろこび 』 ジーヴスシリーズ7冊目。長編。 やはりこれは数ヶ月に1冊がいいペース。 いつも新鮮な気持ちで読めます。 そして内容は、毎度毎度の友人を助けんがために 窮地に陥るバーティを中心とするドタバタコメデ…

S・J・ローザン『チャイナタウン』

S・J・ローザン『チャイナタウン』 リディア&ビルシリーズ第1弾。 中国系アメリカ人リディアと白人男性ビルが主人公。 巻ごとに交互にメインが変更するシリーズ。 1冊目はリディア視点。 この場面、ビル視点ならどう描かれるのかな なんて考えながら読…

ドロシー・L・セイヤーズ『毒を食らわば』

ドロシー・L・セイヤーズ『毒を食らわば』 ピーター卿シリーズ第5弾。長編。 ピーター卿が運命の人と出会った記念すべき1冊。 まさか彼がこんなにメロメロになるなんて! その彼女のために獅子奮迅の活躍をするピーター卿、と 言いたいところだけど、今回…

京極夏彦『百鬼夜行 陽』

京極夏彦『百鬼夜行 陽』 『陰』と同じく、京極堂シリーズの登場人物に スポットを当て、その人物を内面から描いた短篇集。 今回は『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』関係だろうと予想してましたが 意外や『魍魎の匣』からも1篇。 覚えている人物もあればすっか…

小野不由美『ゴーストハント6 海からくるもの』

小野不由美『ゴーストハント6 海からくるもの』 今回はナルが憑依されてしまって大ピンチ! そうなるとやっぱり頼りになるのはぼーさんですよね。 軽そうな口調なのに、知識量が膨大で きちんと仕事をこなす、いい人だな。 また今回は原因究明が二転三転。 …

P・コーンウェル『変死体』(上)(下)

P・コーンウェル『変死体』(上)(下) 検屍官シリーズ第18弾。 今回もケイ視点。やっぱりこれが一番読みやすい。 当分、この路線でいって欲しい。 今回の事件の核となる部分は 近未来的に起こり得るかも知れない、 と想像することで怖さは増幅され 着眼…

ジョン・ディクスン・カー『皇帝のかぎ煙草入れ』(新訳版)

ジョン・ディクスン・カー『皇帝のかぎ煙草入れ』(新訳版) 「このトリックにはさすがのわたしも脱帽する」 女王クリスティが驚嘆する不朽の本格長編、新訳版 という帯が誇張ではなかったことを実感。 道を隔てた窓ごしで事件に遭遇するイヴの 臨場感溢れる…