2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

コリン・デクスター『森を抜ける道』

コリン・デクスター『森を抜ける道』 モース主任警部シリーズ第10弾。長編。 英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞作品。 読書中は面白いながらも、なぜこれが受賞作品? という気持ちもムクムク。 もっと迷走・ぶっ飛びの推理で 真相が二転三転どこ…

A・クリスティ『満潮に乗って』

A・クリスティ『満潮に乗って』 ポアロ物。長編。 ポアロ物にしてはあまりに地味なタイトルで ノンシリーズかと思ってました。 読後、内容はまさにタイトル通りと実感でき このタイトルの良さが味わえるんですヨ。訳者、巧い。 そして今回も恋愛要素はバッ…

米澤穂信『ふたりの距離の概算』

米澤穂信『ふたりの距離の概算』 古典部シリーズ第5弾。長編。 奉太郎達も2年生に進級。 新入生の大日向さんの古典部入部を巡って 奉太郎がマラソン大会を走りながら推理していく内容。 大きな事件がある訳でもなく、本当に些細なことを これだけの長編に…

近藤史恵『薔薇を拒む』

近藤史恵『薔薇を拒む』 まるでドラマを観ているような、映像化したら美しい作品。 ちょっと斜に構えたワル風な美少年と優等生の美少年。 お屋敷。お金持ちのご主人。高慢な奥様。美しいお嬢様。 過去の愛憎劇も含めて、共感できる人物が一人もいなかったの…

歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』

歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』 前作同様、不謹慎かも知れないけど面白い。 もう夢中で読んじゃいました。 前作の衝撃的なラストが記憶に新しいので 本作では、最初は彼等の会話にかなり戸惑いました 途中で真相が明かされて納得。 なるほどね、やっぱり歌野…

島田荘司『帝都衛星軌道』

島田荘司『帝都衛星軌道』 ノンシリーズ。 「帝都衛星軌道」が前篇、後篇に分かれていて 間に「ジャングルの虫たち」という中篇が挟まれます。 どういう意図でこの作品が挟まれたのか、悩みましたが 呼応し合う部分を発見!なるほどね。 どちらの作品も巧み…

畠中恵『いっちばん』

畠中恵『いっちばん』 しゃばけシリーズ第7弾。短編集。 「いっぷく」では、長崎屋が小乃屋、西岡屋と三店で 品比べ対決に巻き込まれることになってしまった! どう考えても長崎屋に利はなさそうだし 小乃屋の七之助が味方か敵か判明せずに ドキドキの展開…

畠中恵『ころころろ』

畠中恵『ころころろ』 しゃばけシリーズ第8弾。短編連作集。 「はじめての」は若だんなの初恋物語。 ここでほっこりした後の次の作品「ほねぬすびと」で、 若だんなの目から光が失われるという衝撃的な展開に! まさか残り全部でこの内容をひきずるとは思っ…

畠中恵『ゆんでめて』

しゃばけシリーズ第9弾。連作短編集。 今回もちょっと変わった趣向。 過去へ遡って書かれた内容が、どういう意味を持つのか? 初めて登場する人物名が少しずつ明らかになり 最後には拡がった風呂敷もきちんとたたまり 納得の内容なのに、なぜか沈んだ気持ち…

畠中恵『ちんぷんかん』

しゃばけシリーズ第6弾。短編集。 とても病弱な若だんなが、ついに三途の川に! 頼りになる仁吉も佐助もいないのに〜! 子供達の積んだ石を蹴散らす鬼という設定は 結構キツイ場面ではあったものの、 結局若だんながこの世に戻れたのは あれのお陰だったと…

恩田陸『きのうの世界』

恩田陸『きのうの世界』 いきなりの二人称で始まる、何となく不安定な書き出し。 最初の不安定さから、徐々に明かされるM町やある人物の秘密。 ここら辺のあぶり出し加減が抜群に恩田さんの巧いところ。 そして盛り上げるだけ盛り上げといて・・・。 まぁこ…

畠中恵『若様組まいる』

畠中恵『若様組まいる』『アイスクリン強し』の続編。 時系列で言えば、こちらの方が前の作品。 こちらを先に読みたかったな〜というのが本音です。 若様達がこんなに大変な状況だったとは露知らず 前作では気楽なおぼっちゃま集団だと思って読んでたので。 …

宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』

宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』 百物語シリーズ第2弾。前作は『おそろし』。 登場人物が前作からさらにパワーアップしてるのに すべての人物の描き分けが丁寧なので、 すぐにおちかの世界に入っていけます。 私は宮部さんの作品は時代小説…