R.D.ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』

R.D.ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』


クリスマスのフロスト (創元推理文庫)


フロスト警部シリーズ第1弾。
再読。懐かしい〜、本当に面白い作品だわ。


季節はクリスマス前の寒い時期。
寒い寒い1日がとにかく長いのよ、この作品。
読んでも読んでも同じ日の出来事。
よくこれだけ事件が重なるわってくらい事件が発生し
それが運悪くフロストに降りかかってくる。
事件自体は何人もの人間が死体となって発見されて
ちょっと考えても気の毒な内容なのに
なぜか面白く読めて読後感いいのは、
全体がジョークで包まれてるからかなぁ。
犯行現場でもお下劣ジョークを撒き散らす
フロストに敵なしですわ。
特に出世欲の塊マレット署長を笑い者にする描写が痛快。


複数の謎を最後にきっちり収束して
その解決に無理がないので、がっちりミステリファンの
ハートをつかんでるんでしょうね。
その鮮やかな手腕に拍手です。


フロストだけでなく彼の周りのキャラもいい感じ。
最初と最後の作品の構成も素晴らしいと思います。
この作品は本当にオススメ!
何度も読み直したいシリーズです。