2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョン・ディクスン・カー『蝋人形館の殺人』

ジョン・ディクスン・カー『蝋人形館の殺人』 これは犯人わからないだろう! 推理作家だって無理じゃないか、と思えるくらいに フーダニット的な面白さが冴えた作品。 作者に、というよりバンコランにミスリードされた気分で どんどん事件の様相が変わってい…

中田永一『百瀬、こっちを向いて。』

中田永一『百瀬、こっちを向いて。』 「百瀬、こっちを向いて」 「なみうちぎわ」 「キャベツ畑に彼の声」 「小梅が通る」 の4編から成る短編集。 恋愛小説というのはあまり好みじゃないし それを売りにする作品はもっと好みじゃないのに これは私の固定観…

スティーヴ・ハミルトン『解錠師』

スティーヴ・ハミルトン『解錠師』 ある事件がきっかけで口が利けなくなる という大きなトラウマを持った 金庫破りの少年の青春物語。 私が過去に好んで読んだハヤカワのポケミスは 本格ミステリが多かったので全然違う雰囲気。 色んな世代に受け入れられる…

小野不由美『ゴーストハント4死霊遊戯』

小野不由美『ゴーストハント4死霊遊戯』 この作品、どんどん怖さが増してきてますね。 オカルト的な言葉の漢字表記がまず怖い。 漢字自体に恐ろしげなオーラを感じてる時点で、 普通の場面も怖く感じちゃってますよね。情けない。 今回特筆すべきは、単なる…

法月綸太郎『キングを探せ』

法月綸太郎『キングを探せ』 法月綸太郎シリーズ。 読み始めは、「あれ、作風変わった? 歌野晶午さんの某作品っぽいな」 という印象でしたが、いえいえ、やっぱり法月さんです。 見事なパズル的展開が待ち構えてました。 交換殺人という大きな軸を中心に 枝…

東川篤哉『謎解きはディナーのあとで2』

東川篤哉『謎解きはディナーのあとで2』 前作は自分のイメージで読めてたけれど 今回はドラマの影響を大きく受けちゃいました。 影山、宝生麗子、風祭警部はドラマ通り。 当分抜けないな、このイメージ。 面白い会話に目をとられてる間に伏線を読み飛ばして…

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』 前作『犯罪』同様、弁護士である主人公が 淡々と語る内容。短篇集。 実際にドイツで刑事事件専門の弁護士をしている作者が 現実の事件に材を得て、それを淡々と伝えており そのあまりの淡々とした語り口が 作…