エラリー・クイーン『Xの悲劇』

エラリー・クイーン『Xの悲劇』

Xの悲劇 (角川文庫)


ドルリー・レーンシリーズ第1弾。
再読です。
学生時代に読んだ作品ですが
犯人だけはきっちりと覚えてます。
これ衝撃受けた作品ですもん。
本格ミステリという言葉も知らず
友人に勧められたのがきっかけですが
今ではその友人に感謝!
論理的にきちんと落ちる作品を読む快感を
私に教えてくれた記念すべき作品です。


今回は越前敏弥さんの訳。
ラングドンシリーズを2冊読んだ限りでは
とても読みやすい印象。
今回もするすると楽しめました。

海外作品を読んでて驚かされるのが
日常会話にシェイクスピアのセリフの引用が
ちょこちょこ出てくることなんです。
何でみんなこんなにシェイクスピアに精通してるねん、
と内心いぶかしながら読んでるんですが
ドルリー・レーンが俳優という設定だと
どの会話もとても自然で納得できます。
事件のことを演劇になぞらえてたのは
まさに設定のメリットですね!
それと変装も。これはホームズっぽいなぁ。


大きなトリックはないけど、丁寧に描かれたこの作品。
犯人わかってても、これは騙されるわ
と感心することしきり。見事です。
私は国名シリーズのエラリィの方が好きなんだけど
本格作品としてお勧めするならこの作品かも。