2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

大森望・豊崎由実『文学賞メッタ斬り リターンズ』

おお〜相変わらずこの表紙! 天明屋尚さんのド迫力な挿画がこのタイトルに合ってますね。 やはり2冊目ということで前回ほどのインパクトはなかったですが お二人の過激発言は、例えネットで予め読んでた内容でも (直木賞・芥川賞候補作関連はほとんどネッ…

宮部みゆき『名もなき毒』

『誰か』の杉村三郎が登場。 前作未読でも差し障りないけれど、たまに前の事件に 関連した言葉が出てくるので、読んでいた方が楽しめると思います。 ここでは具体的な毒から人間の心に潜む毒まで色んな毒が登場し 目に見えない毒の怖さをまざまざと見せつけ…

薬丸岳『闇の底』

前作『天使のナイフ』に続き、今回も社会派的な内容で 正直、読みながら後悔することしきり。 作品自体がどうこうでなく、私自身があまり読みたくない 題材ということ。 (じゃあなぜ読んじゃったんでしょうね!) ただ薬丸岳さん、新人ながらぐいぐい読ませ…

ジャック・リッチー『クライム・マシン』

2006年度「このミステリーがすごい!」海外編1位。 いやー、これはお薦め〜(^○^) この作品がこのミスで1位をとることがまた嬉しいので 大々的に宣伝しちゃいます。 ショートショートを含む短編集ですが、そのどれもが巧妙。 私のようにジャック・リッチー…

鯨統一郎『オレンジの季節』

前半は会社員の立花薫が奮闘しながらも専業主夫になる 様子が描かれていて・・・と微笑ましい思いで読んでましたが 後半は・・・まぁ鯨さんが普通の家族小説書くハズないかっ! いや、終わり方は色んな所で驚きの言葉を耳にしてましたが 自分が実際に読むと…

茂市久美子『つるばら村の三日月屋さん』

『つるばら村のパン屋さん』の続編。 つるばら村のくるみさんがようやく駅前にお店を出しました。 私自身がパンを手作りしてるので、まず注目したのがパンのネーミング! 三日月パンというのはクロワッサンだそうです。ね、素敵でしょ? お客さんが普通の人…

射逆裕二『情けは人の死を招く』

女装マニア・狐久保朝志シリーズ第2弾。 登場人物に生活感のないのが些か気になるけれど やっぱりこのシリーズは面白いですね。 前作よりポイント高し!密室ネタは面白い。 メインの密室ネタに様々な人間関係織り交ぜて書かれてますが これがまたあっさりと…

乃南アサ『風の墓碑銘』

音道貴子シリーズ。 『凍える牙』でのあの名コンビ復活! それだけで小躍りするくらい嬉しい設定です。 二人が互いに牽制し合う会話が妙におかしくて 特に滝沢が気の毒なほどの音道の構えぶり。 手帳に記入していたAという文字には 思わず吹き出してしまい…

京極夏彦『後巷説百物語』

直木賞受賞作品。 『続巷説百物語』を読了した時点でその終焉があまりに素晴らしく この先の『後巷説百物語』を読みたくなかった私です。 これ以上は蛇足じゃないのか・・・という思いを数ヶ月抱いてましたが 色んな人から勧められて読んでみたら・・ わぁ〜…

東野圭吾『赤い指』

加賀恭一郎シリーズ。 親子関係がテーマの作品です。 女性と男性では親や子に対する接し方や想いがかなり異なるもんですね。 自分に当てはめて考えずにはおれない内容なので、 読んでて不快感を感じます、この親に、この子に。 ああ、気をつけよう、自分がこ…

万城目学『鴨川ホルモー』

第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作品。 ホルモンでなくホルモー?何これ?と思いつつ読み始めましたが これがまた面白い!読者は全くホルモーについて知識のない主人公達と 手探りで読み進めます。なかなかその実態がわかってこなくて 小出しにされる情報…

島田荘司『摩天楼の怪人』

『』 御手洗シリーズ。 先日読んだ『上高地の切り裂きジャック』が少々小粒だったので、 久々にやったぁ〜という印象。やっぱりこのシリーズは長編でなくっちゃ! 考えられない謎の連続、心配になるほどの大風呂敷の広げ方でしたが、 読了後の満足感はえも言…