2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

米澤穂信『遠まわりする雛』

米澤穂信『遠まわりする雛』 古典部シリーズ第4弾。短編集。 古典部シリーズは、日常の謎もさることながら 4人の青春小説として1粒で2度おいしい小説だと思ってます。 巧みさを前面に押し出さずにさらっと読ませる手法は流石。 特に「心当たりのある者は…

P・G・ウッドハウス『よしきた、ジーヴス』

P・G・ウッドハウス『よしきた、ジーヴス』 国書刊行会版ウッドハウスコレクション第2弾。長編。 『比類なきジーヴス』は短編集だったので、問題発生しても 有能な執事ジーヴスの手腕で次々と事態が沈静化するのですが 今回は長編。予想通り、沈静化する…

A・クリスティ『ねじれた家』

A・クリスティ『ねじれた家』ノンシリーズ。 ねじれた家に住む心のねじれた老人が、多額の遺産を残して毒殺された。 ねじれた家に住む家族はどの人もどこかしらねじれた部分があって、 孫娘ソフィアの恋人であるチャールズは、ロンドン警察副総監である父親…

有栖川有栖『乱鴉の島』

有栖川有栖『乱鴉の島』 火村&作家アリスシリーズ。 激務で疲れた火村を気遣う下宿先の主人の勧めで アリスと休養に出かけるが、手違いから目的地とは 違う島に来てしまった。そこは、数多の烏が乱舞する絶海の孤島だった! 大好きな孤島物。それだけで読む…

道尾秀介『花と流れ星』

道尾秀介『花と流れ星』 短編集。『背の眼』の真備シリーズ。 道尾作品というと、巧いんだけどどうも読後感好くなくて ズンと気持ちが沈みそうになる印象が強い。 だからなかなか手がでないんだけど、 この作品は大好きな真尾シリーズで しかも珍しく読後感…

A・クリスティ『ホロー荘の殺人』

A・クリスティ『ホロー荘の殺人』 ポアロもの。 大好きなポアロものだけど、 今回の灰色の脳細胞は完全に休眠状態。 ポアロ自身が、演じられている劇を観ている 観客の一人という印象です。 彼の快刀乱麻的な推理を期待しないで ノンシリーズとして読むと楽…

ポール・アルテ『狂人の部屋』

ポール・アルテ『狂人の部屋』 ツイスト博士シリーズ第4弾。 1930年代、イギリスの片田舎にあるハットン荘が舞台。 過去にその屋敷で叔父が呪いの言葉を吐きながら奇怪な死に方をした。 開かずの間となったその部屋を開けてから再び・・・。 怪奇的な雰囲気…

大矢博子『脳天気にもホドがある。』

大矢博子『脳天気にもホドがある。』[rakuten:book:13972433:image] なまもの!読者も、そうでない人も必読のエッセイ。 右半身麻痺と失語症のリハビリと闘う旦那様と 真正面に病気に向き合う大矢さんの 明るさと頑張りとユーモアのセンスに ほろっとさせら…

貫井徳郎『後悔と真実の色』

貫井徳郎『後悔と真実の色』 警察内部組織の人間関係のドロドロさも 某作家さんほどの嫌らしさもなくスッキリ読めました。 これくらいなら読後感も悪くならなくていいですね。 洗練されたクレバーな会話する刑事って 実際にいるのかも知れないけれど 私の中…