加賀美雅之『縛り首の塔の館』

加賀美雅之『縛り首の塔の館』



縛り首の塔の館 シャルル・ベルトランの事件簿 (講談社ノベルス)


ベルトランシリーズ。短編集。
不可能犯罪を演出した加賀美さんらしい短編集。
サービス精神旺盛な加賀美さんは、
長編では謎がみっしり詰まり過ぎて
いくら本格古典推理好きな私でも、
少々食傷気味だったので、
今回の短編集は久々にさらっと読めました。
といってもかなり濃厚でしたが(笑)


おっ!と思うものや、バカミスっぽく苦笑しちゃうのや
色んな楽しみ方ができる短編集。
ただしどの作品も不可能犯罪という雰囲気の盛り上げ方は巧いですね。
「吸血鬼の塔」はゾクゾクしました。あの血をすする音!
さらに挿絵の効果がまた絶大なんです。
タイトルの挿絵で気持ちが入っちゃいますもん。


このまま加賀美さんにはこの路線で
ベルトランシリーズを息の長いシリーズにして欲しいです。