京極夏彦『後巷説百物語』


後巷説百物語 (Kwai books)

直木賞受賞作品。
『続巷説百物語』を読了した時点でその終焉があまりに素晴らしく
この先の『後巷説百物語』を読みたくなかった私です。
これ以上は蛇足じゃないのか・・・という思いを数ヶ月抱いてましたが
色んな人から勧められて読んでみたら・・
わぁ〜何ですぐに読まなかったんだよぉ!自分の馬鹿っ!なのでした。
『続』ほどの派手さはないけれど、じーんと胸を打つラストは
涙が止まらなくなりました。
ああ、○○に対しては本当にお疲れ様という気分です。


時は明治の世を迎えております。
百介が現代の事件で受けた相談に対して
自分の思い出を回顧して語っていく形式なのですが
皆が帰った後の小夜の突っ込みと
それから明かされる真実がたまんなく面白いです。


そして百物語、終わってしまったんですね。
百介の仕掛けに胸を打ち、しみじみと読み終えた作品でした。
これぞ「完」でしょう。三部作で美しい終わり方だと思います。
と思いつつ、疑問に残るのは又市の一番の大仕事ですが
これはまた明らかにしてくれるんでしょうね。