宮部みゆき『名もなき毒』


名もなき毒


『誰か』の杉村三郎が登場。
前作未読でも差し障りないけれど、たまに前の事件に
関連した言葉が出てくるので、読んでいた方が楽しめると思います。


ここでは具体的な毒から人間の心に潜む毒まで色んな毒が登場し
目に見えない毒の怖さをまざまざと見せつけます。
現代では誰もがそれを心の底に持ってると思うし
でも普通はそれを吐き出さないように自制するんですが
本書に登場した人物の吐き出し方がまた読んでてつらい
というか凄まじいですよ。しかもこの人物、本当にいそうだからなお怖い。
でも彼女が杉村三郎を特に嫌う気持ちはわかるんですよね。
何だかんだ言ってもやっぱり杉村三郎は富める者の一員ですもん。
前作以上にそれを感じましたね。かなり羨ましいぞ。


ところでこのシリーズはさらに続くのでしょうか?もしそうなら
秋山とゴンちゃんのコンビはこれからも登場させて欲しいですね。
人間味溢れる二人のやりとりは微笑ましかったです♪