米澤穂信『遠まわりする雛』

米澤穂信遠まわりする雛



遠まわりする雛


古典部シリーズ第4弾。短編集。
古典部シリーズは、日常の謎もさることながら
4人の青春小説として1粒で2度おいしい小説だと思ってます。


巧みさを前面に押し出さずにさらっと読ませる手法は流石。
特に「心当たりのある者は」の論理の検証は愉快愉快〜だし
表題作で描かれた情景の美しさは、最後を飾るに相応しい短編でした。
個人的に好きなのは「あきましておめでとう」。
絶体絶命のピンチを切り抜ける遣り口、感心感心〜。


ところでこの作品を読んで、千反田えるへの印象が大きく変わりました。
依存性が強くて4人の中で一番幼い印象があったのに、
社会に早くから関わってきて、実は一番大人でしたね。
ホータローの気持ちの変化で、今後の作品がとっても楽しみです。