A・クリスティ『ホロー荘の殺人』

A・クリスティ『ホロー荘の殺人』

ホロー荘の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


ポアロもの。
大好きなポアロものだけど、
今回の灰色の脳細胞は完全に休眠状態。
ポアロ自身が、演じられている劇を観ている
観客の一人という印象です。
彼の快刀乱麻的な推理を期待しないで
ノンシリーズとして読むと楽しめるかも。
この作品、小説的にはたまらなく面白いんですもん。


作中、一番興味深かったのがヘンリエッタという女性。
彫刻では優れた才能を持っているので
彼女のクリエイティブな発想や思考が私には新鮮で
最後まで彼女の真意がわかりませんでした。
犯人はやっぱりなって感じで意外性はなかったのですが
ラストは感動的でした。


先月読んだ新井潤美さんの『不機嫌なメアリーポピンズ』で
イギリスの階級制度についての知識を得たので
より楽しめたのが、ちょっと嬉しいかも。