Ｐ・Ｇ・ウッドハウス『よしきた、ジーヴス』

国書刊行会版ウッドハウスコレクション第２弾。長編。
『比類なきジーヴス』は短編集だったので、問題発生しても
有能な執事ジーヴスの手腕で次々と事態が沈静化するのですが
今回は長編。予想通り、沈静化する前にさらに事態が悪化して
そのしっちゃかめっちゃかぶりがとにかく笑えます。面白い〜。
特に私が好きなのが、洒脱で軽妙な会話の応酬。
ユーモアのセンスが上質で、英国小説好きの方には特にオススメします。

たまにバーティーがジーヴスにどうしても譲れないものが
自分の好みの服装。今回は白いジャケットが譲れません。
ジーヴスとの良好な関係を崩してでも固執し、
最終的にそのジャケットの運命は、毎度お馴染みな結果になるというのに。
ここら辺は吉本のギャグみたい。わかっていても笑えるという安心感。
またラストの大団円の果てに、やはり垣間見えるジーヴスの腹黒さが
たまらなく面白いのです。
このシリーズは止められません！