S・J・ローザン『どこよりも冷たいところ』

S・J・ローザン『どこよりも冷たいところ』

どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)


リディア・チン&ビル・スミスシリーズ第4弾。
語り手がリディアとビルで交互に変わっていくシリーズ。
今回はビル視点。


今回の舞台は高層ビルの建築現場。
きな臭い不正を調査するために
知り合いの探偵会社に協力する下請け業務。
二人で建築現場に潜入捜査するんだけど
面白いのがリディアの秘書役。
スーツ着て事務仕事してるリディアを
想像するだけでもニヤリ。
ストレスたまるだろうなぁ(笑)


誰が犯人か、というより
入り組んだ事件の背後が面白い。
飽きさせずに興味を最後まで引っ張ったローザンは凄い。
一気読み。この巻、面白い!


ビルの優しさがかえって裏目に出るのは本当に気の毒。
ビルにとって、ピアノを弾くことの意味が丹念に描かれていて
彼にとってはその時間が本当に必要なんだと
前作以上に感じられました。
知らない曲だけに、聴いてみたくなる