A・クリスティ『複数の時計』

A・クリスティ『複数の時計』


複数の時計 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


ポアロ物。長編。
タイピストのシェイラは、仕事依頼を受けて訪れた部屋で
見知らぬ男性の死体を発見。
その部屋の持ち主は盲目の女教師で、そもそも仕事依頼をしていないと言う。
なぜかその部屋には同じ時刻を指す複数の時計が増えていた・・・
という設定が抜群に面白く、なぜ?なぜ?なぜ?と疑問ばかり。
風呂敷の広げ方が巧いんですよね、クリスティは。


中盤からポアロが登場するんだけど
かなり老いた印象を受けます。
過去への郷愁と自慢ばかりが鼻をつくのは
しょうがないのかなぁ。


ただ、他の作家のミステリ作品への言及は楽しく
ポアロが褒め称える作品は読みたいな、と思ってしまいます。
ポアロは死ぬまでバリバリ活躍して欲しいな。