ドロシー・L・セイヤーズ『毒を食らわば』

ドロシー・L・セイヤーズ『毒を食らわば』

毒を食らわば (創元推理文庫)


ピーター卿シリーズ第5弾。長編。
ピーター卿が運命の人と出会った記念すべき1冊。
まさか彼がこんなにメロメロになるなんて!
その彼女のために獅子奮迅の活躍をするピーター卿、と
言いたいところだけど、今回大活躍をしたのは
猫舎の女性達。体を張った探偵並みの活躍は素晴らしい!


冒頭の法廷シーンは、一見退屈そうなんだけど
ここで読者は、被告以外の人物が毒を盛ることが
不可能そうだと思い知らされる訳です。
この不可能そうな鉄壁の壁を崩していく様子が面白い。


しかも交霊術まで登場しているのが英国小説だ〜。
嬉しくなっちゃいます。
さらにピーターがバンターに放つ、ジーヴス絡みの一言が大受け!
作者もかなりジーヴスを意識してるのね。
パーカーとメアリの仲が進展していることや
友人の結婚など、ピーター卿の周りにも変化の兆しが・・・。
今後の展開がとても楽しみです。