京極夏彦『百鬼夜行 陽』

京極夏彦百鬼夜行 陽』


定本 百鬼夜行 陽


『陰』と同じく、京極堂シリーズの登場人物に
スポットを当て、その人物を内面から描いた短篇集。
今回は『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』関係だろうと予想してましたが
意外や『魍魎の匣』からも1篇。
覚えている人物もあればすっかり忘れている人物もあり。
それが本編でどういった関わりがあったかすら忘れていても
十二分に楽しめる短篇ばかりで、京極さんの筆力の素晴らしさを
改めて確認した短編集でした。
人が壊れていく様を京極タッチで読むと
背中がゾクゾクします。憐れで恐ろしい。


そして『陰』ラストがあの人物だったから期待してたけど
『陽』のラストはやっぱりあのお方でした。
彼視点の内面描写はファンとしては嬉しすぎる!
彼の家族もとても愉快でした。父、素敵だわ。


今回のサイドストーリーを読むことで
京極堂シリーズを最初から再読したくなる気持ちがムクムク。
膨大な時間かかることを思えば、手を出すのは勇気のいることです。
先にサイドストーリーの方で登場した『鵺の碑』。
これを読んだからにはファンとしては一刻も早く本編が読みたいのです!