ドロシー・L・セイヤーズ『不自然な死』

ドロシー・L・セイヤーズ『不自然な死』


不自然な死 (創元推理文庫)


ピーター卿シリーズ第3弾。長編。
犯人役がほぼ特定されてる中で
飽きさせずに読者を引っ張る術が素晴らしい。
今回はマープルのような女性が
マープルのように村人とおしゃべりして
手掛かりをつかもうとする。
ここはマープルに軍配が上がるかな。


ワトソン役のパーカーがしんどい仕事を分担して
ぼやいてる場面なんて英国の階級社会を垣間見る思いがして
お気楽なウィムジィに腹が立ってきました。
これはどうしようもないのにね。


しかし今回の犯人、本当にえげつない。
特に被害者を死に至らしめたやり口は
よく思いついたものです。巧いな。
それの伏線もきっちりあったし、
その時もその場面に違和感感じてたのに。
セイヤーズ、お見事です。