ミネット・ウォルターズ『鉄の枷』

ミネット・ウォルターズ『鉄の枷』


鉄の枷 (創元推理文庫)




浴槽に横たわって死んでいた資産家の老婦人は他殺か自殺か?
そして莫大な遺産はなぜ家族でなく主治医に残されたのか?


久々のウォルターズの作品は、なかなか良かったです。
もっと暗くてどよ〜んとした気分で読まないといけないのかと思ってましたが
真相が全く読めずに、途中から加速度的に面白くなりました。

一癖も二癖もある登場人物すべてが怪しく見えてくるので
作者に翻弄されながら考えをコロコロ変えていきました。
老婦人の日記が所々挟まれてるのが特に効果的で良かったです。


老婦人はスコウルズ・ブライドルという鉄製の枷をかぶった状態で
発見されましたが、それがどうもイメージしにくかった。
作品名にもなってる、この重要な意味を持つ枷、
ネットで調べて写真見ると胸が痛くなります。
こんなの使ってしつけだけは受けたくないですわ。
この作品を読まれる方は、先にスコウルズ・ブライドルを
調べておいた方がいいですよ。