東野圭吾『麒麟の翼』

東野圭吾麒麟の翼』

麒麟の翼

加賀刑事シリーズ第9弾。


『新参者』と同じ路線。
所轄の加賀刑事が従兄弟の松宮とコンビを組んで
殺人事件の真相に迫っていきます。
最大の謎が、被害者の青柳が刺された状態で
日本橋麒麟像まで移動したという事実。
なぜ周囲の人間の助けを呼ばずに
その像まで辿り着かねばならなかったのか?
それが解明された時に、胸にこみあげてくる温かさが
この作品の読後感をすごくよくしています。


『新参者』以降、事件関係者の家族の心情にまで
細かい配慮をしている加賀刑事の人情味溢れる捜査方針は
殺伐とした事件が多い現在社会で、ホッとします。
所轄だからできることなのかな?
ということで、しばらくは加賀刑事も所轄にいてほしい。
いや、やっぱり捜査一課に戻って欲しい。
いやいや、どちらでもいいです。加賀刑事シリーズが読めるなら。


しかしドラマを観て以来、加賀刑事は完全に阿部寛が思い浮かんできて
どの文字読んでても阿部寛の声が響いてますね〜。