麻耶雄崇『貴族探偵』

麻耶雄崇『貴族探偵

貴族探偵


本の装丁からして貴族っぽい雰囲気漂わせている
本作品の主人公は、貴族探偵と自ら名乗っている高貴なお方。
彼が快刀乱麻の如く事件を解決する・・・と思いきや
そんな労働は下々の召使がやるって何でやねんっ!
と関西人でなかろうとツッコミいれたくなる設定。
自分が名探偵であるかのような言動の後に
こんな行動とられると拍子抜けするけど、徹底されると肯定しちゃう。
面白い〜この設定!貴族探偵の屁理屈が癖になりそう。
先日読んだ『隻眼の少女』ほどの派手さはないけど、私はこっちが好みですネ。


5つの短編はさすが麻耶さんと言える本格作品。
糸を使って密室を作ったり・・なんて手垢がついたトリックなんだけど
これを麻耶さんが料理すると、これがまた巧い。
是非読んで楽しんで頂きたいです。
しかし度肝抜く真相だったり、無茶なトリックだったりするけど
破壊されてない分、読後感はいいです。