奥泉光『シューマンの指』

奥泉光シューマンの指』



シューマンの指 (100周年書き下ろし)


奥泉さんの書かれる文章が好きで
今回の作品もかなり期待大でした。
タイトルにシューマンが入ってるので予想はしてたけど
まさかここまでシューマンが核になっていようとは!
主人公のシューマンへの狂おしい情熱が
奥泉さんの筆によって読者にひしひしと伝わり
こちら自身も狂気の世界に迷い込まされそうに感じるくらい
迫力ある作品でした。幻想的な表現が素晴らしい。


ただしシューマンの曲を知っていないために、演奏の解釈を読んでて
フラストレーションたまりました。これは是非聴きながら読むべきですネ。
他のピアニストや作曲家は馴染みあったので
そちら辺は楽しめたのですが・・。CD付きの本も売り出すべきですヨ。


ミステリ的には最後は驚いたけれど、これはどっちでも良かった。
それまでに十分楽しめたので。