恩田陸『訪問者』

恩田陸『訪問者』


訪問者


久々に緊張感溢れる恩田作品を堪能できました。
山中にひっそりたたずむ洋館が舞台で
ほとんど設定場所が移動しないため、演劇を見ている様。戯曲のようでした。


「来客を告げるベルが鳴った」で始まる各章。
これは巧いなぁ。たった一つの文章で、どんどん想像力が膨らむ。
そして過去の事件と現代の事件、互いに腹の探りあいの言葉のやり取り。
こんなワクワクする恩田作品を読めてることが嬉しくてしょうがない。
願わくば、ありきたりな決着着けて欲しくないっという思いでした。
謎のままでいいんだよ、最後近くまで楽しめてるだけで満足だから・・と。
そして結局・・・。これは読んでからのお楽しみですね。
この作品、最近の恩田作品ではかなり好きな部類です。