京極夏彦『西巷説百物語』

京極夏彦『西巷説百物語


西巷説百物語 (怪BOOKS)



今回の主役は又市ではなくて、又市の昔の相棒・靄船の林蔵。
刊行された4冊をすべて再読した上で読んだので
人物もよ〜くわかっていたつもりだったけど
林蔵って男前だったのね、いや、これは読み落としてましたヨ(笑)


「桂男」「遺言幽霊 水乞幽霊」「鍛冶が嬶」「夜楽屋」
「溝出」「豆狸」「野狐」の7篇から成りますが
涙が止まらなかったのが「豆狸」。
このシリーズは、じ〜んと悲しみを感じる場面は
過去に何度も登場するけれど
こんなにボロボロ泣いたのは初めて。
仕掛けられる側からの視点で描かれているので
余計に胸をうったんでしょうね。
視点から言うと、この作品は過去のシリーズとは
ちょっと違った雰囲気です。
林蔵には悪いけど、やっぱり又市のあのセリフがないと寂しい。
そういう意味では「野狐」のオールキャストは
京極さんのファンサービスかしら。

今回は林蔵が主役だったけど、この手を使うと
これからどんどん主人公を変えてこのシリーズ続きますね!
いやー楽しみ♪