A・クリスティ『雲をつかむ死』』

雲をつかむ死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


ポアロもの。
既読のクリスティ作品では初めての飛行機内での殺人。
この時代でも頻繁に飛行機を利用していたんでしょうか。
当時の様子なども興味深く読めました。

殺害されたのは最後列に座っていた金貸しのジゼル。
その近くに座っていたポアロですが、飛行機嫌いで寝ていたために、
その犯行に全く気付かず見過ごしてしまいます。
飛行中の機内はいわば密室状態。その中で誰にも気付かれずに
誰が、どうやって犯行に及んだのか?かなり面白かったです。
犯人も手段も全くわからず、完全にミスリードされました。
ただし真相知って、今の私達がこれに気付かなくても当然、って思いました。
シンプルで大胆、さすがクリスティです。