石持浅海『顔のない敵』


顔のない敵 (カッパ・ノベルス)


「本格推理」に採用された記念すべきデビュー作「暗い箱の中で」を
含む全7篇から成る短編集。(うち6篇は連作短編集)
最初の6篇は対人地雷を扱った地雷ミステリです。
地雷という言葉に対して、他所事のような感覚しか
持ち合わせてなかったのでこの部分はとても興味深く読めました。
特にカンボジアでのNGOが対人地雷の除去作業をしている描写は
自分の無知を恥じるばかり。本当に読み応えはありましたヨ。
ただ崇高な主義のためには何やってもいいんかいっ
ていう空気がどうも馴染めない。トリック的には面白くても
登場人物の人間性が合わなかったのが残念でした。