ヒラリー・ウォー『ながい眠り』


ながい眠り (創元推理文庫)


フェローズ署長最初の事件です。
警察小説のお手本のような作品。
大きな岩石を崩すために探す小さな綻び。
この作業がまた本当に大変で、
主人公が胃を患ってるのも頷けます。
ここであらゆる可能性を突き進んでいく、
その過程が重苦しくならないのは
フェローズ署長と部下とのやりとりでしょうね。
軽口をたたく部下との軽妙なやりとりは
海外作品の好きなところですが今回もたっぷり味わえます。
フェローズの息子にかける言葉も気の毒さ倍増ですわ。
さらに方針を立てる時のフェローズがホームズばりの推理を披露し
部下から揶揄される場面は「何を見ておれ」と私の方が力入るなんて
かなりこのシリーズに惚れてる証拠ですネ。
犯人の意外性も味わえて、これは大満足の1冊です。