島田荘司『上高地の切り裂きジャック』

上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)


表題作を含む中編2作から成る御手洗シリーズ。


表題作のタイトルはそそられますねぇ。
どんな凶悪犯が上高地に潜んでいるのかと思えば
ちょっと笑っちゃうような結末でした。
タイトル買いした人は少々ガッカリするかも。
ただしこれが御手洗ファンなら別。
いつも多忙な海外在住の御手洗が、
石岡に向かって電話口で連呼するある単語には
石岡ならずとも口あんぐりですよ。
何ですって〜!?訳わかんないんだけど
御手洗らしさが紙面から滲み出て読んでてほっとしました。
彼の奇人変人っぽい言動大好きなんですもん。


併録の「山手の幽霊」は何といってもあの大胆トリックがポイントですね。
これはどう料理されるのか、こんなの無理ですって!
と御手洗シリーズ読む時は毎度毎度思いますが
今回の力技もなかなかでした。私は好きですよ〜こういう楽しみ方って。
現実的に可能かどうかはさておいてますがね。