ドロシー・L・セイヤーズ『五匹の赤い鰊』

ドロシー・L・セイヤーズ『五匹の赤い鰊』

五匹の赤い鰊 (創元推理文庫)


ピーター卿シリーズ第6弾。
赤い鰊が偽の手掛かりというのはミステリ用語なんですが
それを知らなかった私はまだまだミステリ初心者。
いい勉強になりました。


内容はまさにタイトル通り!
5匹の赤い鰊(偽の手掛かり)が煙幕になって
真相が全然わかりません。
私以外にも「容疑者全員が共謀?」
と考えた人、いないかな。


ピーター卿も含めた警察関係者6人が
くるくると推理を展開するくだりは
早く真打ちとなるピーター卿の推理を披露してくれよなっ
て感じでちょっとイライラする場面も。
アリバイトリックで電車の時刻表がからんでくると
さらに頭が混乱して何が何やら・・。


トリック重視の作品は今までのシリーズにはない展開で
セイヤーズの新たな面が感じられました。
最後に事件を忠実に再現する場面は新鮮で
皆がノリノリで演じてるのが面白い。
時間的に絶対無理と思われた場面で
ああいうことがあったとは!
いや〜読後はすごくスッキリしました。