ジョン・ディクスン・カー『皇帝のかぎ煙草入れ』(新訳版)

ジョン・ディクスン・カー『皇帝のかぎ煙草入れ』(新訳版)


皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)


「このトリックにはさすがのわたしも脱帽する」
女王クリスティが驚嘆する不朽の本格長編、新訳版


という帯が誇張ではなかったことを実感。
道を隔てた窓ごしで事件に遭遇するイヴの
臨場感溢れる描写にドキドキ。
サスペンス映画を観ている感じの
緊張感が半端なかったです。


しかし主人公イヴの頼りないこと。
どうにかならんのかね、この女性。
謎そっちのけでイライラしちゃいました。
その彼女が我慢の限界超えてキレた様子がおかしくて
途中からは応援する気持ちもムクムク。
本格推理なのに、謎よりイヴの今後が気掛かりで
ラストはこれまた外国映画かというような
洒落た終わり方で読後感良し!です。


真相は・・・何で気がつかなかったんでしょうね。
完全に打ちのめされてます。
この作品、オススメです。