道尾秀介『月と蟹』

道尾秀介『月と蟹』


月と蟹


道尾作品に登場する少年達に
いつもエネルギーを吸い取られてます。
小学生だからどうすることもできない
狭い世界の中での彼等の親に対する葛藤があまりに重苦しく
胸をえぐられる思いで読みました。


主人公の慎一が母親に対する気持ちは
思春期の少年の域を出ない気がするけど
彼より春也のとらざるを得なかった行動があまりに気の毒で・・・。
小学生だからどうする術もない。
どんどん狂気に突っ走っていく辺りが
やっぱり巧いな、道尾さん。
エネルギーを吸い取られる作品です。