A・クリスティ『マギンティ夫人は死んだ』

A・クリスティ『マギンティ夫人は死んだ』

マギンティ夫人は死んだ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ポアロもの。長編。
マギンティ夫人が撲殺された過去の事件を
スペンス警視からの依頼で再調査するポアロ
しかも犯人として捕まった男は死刑を確定されている!


いつもながらに会話を通して相手の心理を深読みするポアロ
今回の舞台は片田舎の小さな村なので
宿舎にしろ食事にしろ、マープルなら文句のない場面でも
グルメなポアロが愚痴るのが妙におかしく気の毒でした。
さらに自分の存在をほとんど知られていないというのも
虚栄心の塊のポアロにとってはたまらなかったでしょうね。
陰惨な殺人事件でもこういう場面があると和みます。


今回はいつにもまして犯人が絞れませんでした。
クリスティ作品って怪しい人が多すぎる、
というかどの人物も何らしか心に疚しい部分を持ってるので
その行動にまんまとミスリードされちゃいました。
犯人をエレガントな説明で言い当てる人、いるんだろうか?
なかなか面白かったですよ。