新井潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ』

新井潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ』

不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」 (平凡社新書)


サブタイトルはイギリス小説と映画から読む「階級」。
英国小説大好きで、結構読んでいながら
漠然とした階級知識しか持ち合わせていなかった私は
この本を読んで衝撃!目から鱗が・・・という気持ちでした。
イギリスの階級がこんなに事細かに分かれていたとは。
特に真ん中のミドルクラスはさらにアッパー、ミドル、ロウアーと
分かれていて、読んでて混乱しました。
自分が読んでいた小説や見た映画で、知らないうちに
英国人作家の皮肉や揶揄してる部分をスルーしていたんですね。
発音、話す言葉で完璧にその人自身の階級が悟られるって、ちょっと怖っ!


「マイフェアレディ」で、ヒギンズ教授が花売り娘のイライザを
完璧なレディに変身させれるかどうか賭けをするのですが、
その時に一般教養を教えこむのではなく、上流階級の話し方を徹底して
教えていました。話し方が出身階級を物語るキーポイントだったことが
よ〜く理解できましよ。
だから映画の配役も登場人物の階級の話し方ができる人物
ということまで考えないといけないんですって。
頻繁に本書に登場したジェイン・オースティンの作品は未読なので
ぜひ読みたいです。
新井さんの英国階級について書かれた『階級にとりつかれた人々』
も機会があったら読んでみようっと。