米澤穂信『ボトルネック』

米澤穂信ボトルネック



ボトルネック


多感な少年の悲惨な家庭環境が哀しい。
東尋坊パラレルワールドに迷い込んでしまう
主人公リヨウだけど、そこでの間違い探しの結果
彼が気付いた内容がさらに哀しい事実。


一度気付くと、どうにもやり切れない思いしか浮かんでこず
こんなに気持ちが沈んでくる小説、久々でした。
最後は何とか救ってくれるんだろうな
という期待感でのみ読み進めました。


最後の1行、これがまた厄介。
どう捉えたらよいのか?私は好意的に読みたいんだけど・・。
それでも私が米澤作品を読むのが止められないのは
登場人物の腹黒的な魅力に負うところが大きいんだけどね。
やっぱり米澤作品のピリっとした辛さが大好きです。