道尾秀介『鬼の跫音』

道尾秀介『鬼の跫音』


鬼の跫音


短編集。全編を通して登場するのがSという人物とカラス。
どの作品も胸がザワザワして、落ち着かない気持ち。
ストレートな怖さ、ひたひたと後ろから押し寄せる怖さ
色んな怖さを感じながら、1つ1つの蝋燭を吹き消す気持ちで読みました。
タイトルの「鬼の跫音」という作品が収録されていないのに
まさに鬼の跫音を感じる作品達。巧いタイトルのつけ方ですね!
日記を古い日付へと遡っていく「冬の鬼」や「ケモノ」のあまりに
壮絶な結末は特に夢中になりました。
道尾作品、長編より短編が好きかも知れないです。