Ａ・クリスティ『愛国殺人』

ポアロもの。
怖い物などなさそうなポアロが、憂鬱そうに歯科医院に
出掛ける様子はなかなかかわいい。
と思っていたら、その担当医がその日のうちに自殺。
殺される原因も自殺する原因も見つからない。
さらにポアロの後にその歯科医院に来ていた患者が次々と殺されて・・・。

なかなか真相がつかめず、タイトルの意味も不思議な感じでしたが
後半、徐々に政治色の強さを感じました。
だからこそのタイトルだったんですね！
途中、怪しい人物が次々と登場して翻弄されたなぁ。
ラストの犯人とポアロの対峙はなかなか良かったです。
ポアロが犯人に言い放つ一言・・・これは過去読んだクリスティ作品では
一番共感できました。犯人の身勝手さに猛烈に腹が立った作品です。
最後の最後では面白いオチもあって、クスリと笑えました。