A・クリスティ『動く指』


動く指 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


ミス・マープルもの。
ほとんどマープルの登場シーンないので、
ノンシリーズの調子で読み進めました。
主人公のバートン兄妹がとても魅力的で、
特に妹のジャアナに好感持ってたので、
彼女に謎解きして欲しかったくらい。
マープルは忘れた頃に登場して、
きっちり存在感を示すのはさすがですね。
若い者達をいつも微笑ましく見守ってる描写が
作者の温かさを感じます。
真相が明らかにされるまで、全然事件の本質見抜けませんでした。
改めてクリスティの手腕に感心した作品。
小さな村社会でこそ成り立つ作品だなって、感心しました。
絡み合った人間関係の交差と並行して、
作中のプリティ・ウーマン的なストーリー展開も楽しかったです。