フランシス・アイルズ『レディに捧げる殺人物語』

レディに捧げる殺人物語 (創元推理文庫 124-2)



アントニイ・バークリーの別名義作品。
シェリンガムシリーズとは違って、こちらは犯罪心理中心の小説です。
冒頭の一文が印象深く、一気に小説世界に引き込まれました。
最初にしてすでにこれから展開されるであろう内容が予想できるので
真綿で締められるようにじわじわとゴールに進む描写と言ったら!
心の中で主人公リナに思いっきり突っ込み入れまくってました。
共感できないけれど、同情しまくりの私。
これは『殺意』と対で読むといいですね。
(登場人物は全く別なんだけど・・・)
改題前のタイトル『犯行以前』が妙にしっくりくるんだけどな・・・。