ドロシー・L・セイヤーズ『学寮祭の夜』

ドロシー・L・セイヤーズ『学寮祭の夜』



学寮祭の夜 (創元推理文庫)


ピーター卿シリーズ。長編。
700ページを超える長さに躊躇しちゃうけど
読了後はその長さも納得できる内容。
それほどハリエットとピーター卿の関係は複雑なのです。
そしてハリエット視点の内容は、揺れ動く彼女の心情が
紙面からビシビシ伝わってくるので、成り行きが気になって
もう夢中で読めました。


だけどだけど・・・この作品、引用が多いヨ!
これがツボだ〜と言える教養があればいいのですが
私は最初からわからなくても気にせずぐいぐい読んじゃってます。
しょうがないでしょ。セイヤーズの作品、引用多すぎるんだもん。
当時の女性の仕事への考え方や学問に身を捧げることの難しさ
など読みどころは多いです。



途中、特定できない犯人が徐々にエスカレートしていく様は
本当に怖い。犯人の狂気が、とにかく怖かったです。
まぁ二人が無事に一緒になれるんだから
これは記念すべき1冊ですね!